トップ > 椎間板ヘルニア一般論 > 腰の構造について
○人間の腰って実は凄い。芸術品である。
姿勢維持の核となるのは背骨(脊椎)
私たち人間の姿勢を維持する上で最も核となる骨格は「背骨(脊椎)」です。頭/肩/背/腰など、人間の身体を構成する骨格は全てこの背骨(脊椎)を中心にして広がっています。
カイロプラクティックなどが「背骨の歪み」を各症状表出の主原因であるとしているのは背骨(脊椎)がそれだけ人体にとって大切な部位であるからなのです。
背骨(脊椎)は24個の椎骨と呼ばれる小さな骨の結合帯である。
背骨(脊椎)は1本の長い骨ではありません。小さなパーツが組み合わせって作り上げられた構成要素の複合体です。主に24個の椎骨、そして椎骨の間には衝撃を吸収するクッション材となる「椎間板」と呼ばれる軟組織が挟まっています。
- 背骨(脊椎)は24個の「椎骨」から成り立っている
- 椎骨の間には「椎間板」というな軟組織(クッション材)が挟まっている。
- 椎骨は前部「椎体」と後部「棘突起」から成立している。
背骨(脊椎)は緩いS字カーブを描いている
人間の背骨(脊椎)は正面から見ると1本の縦線となって見えますが、横から見ると「緩いS字カーブ」を描いています。これは四足歩行から二足歩行へと進化した人類が見につけた「対重力の最善の策」です。
- 頸椎:気持ち前へ緩やかに曲がる
- 胸椎:後ろへ緩やかに曲がる(背中の反りを作る)
- 腰椎:前へ緩やかに曲がる(背中の反りとバランスを取る)
胸椎の後ろの反りは「背筋」が、そして腰椎は「腹筋」がそれぞれ姿勢維持に機能しています。仮に「背筋が弱い」「腹筋が強すぎる」といった筋力のアンバランスが生まれると「猫背」となり、逆に「腹筋が弱い」「背筋が強すぎる」となると「反り腰」が生まれ易くなります。
背骨(脊椎)には脊髄中枢神経が縦断している
24個の椎骨から構成される「脊柱(背骨の別称)」には「脊柱管」という隙間が中に作られています。椎骨を24個連ねた後に上から覗き込むと綺麗に「穴」ができているのがわかります。これが「脊柱管」であり、その中には最も重要な神経である「脊髄中枢神経」が走っています。
この脊髄中枢神経は脳から身体の各部位へと送られる生体電流を身体の各部位に走る「末梢神経」へと伝える(更に受け取る)「神経のステーション」です。そして、身体の各部位へと広がる「末梢神経」はこの脊髄中枢神経を起点として各部位へと走ります。
つまり、脊柱は姿勢の維持の他に
- 末梢神経の起点
- 生体電流の中継点
という生命活動において非常に重要な二つの役割を担っています。
この生体電流が何かしらの理由で阻害された場合、「感覚が鈍る(感覚神経鈍磨)」「頭のイメージと身体の動きが微妙にずれる(運動神経鈍磨)」といった神経疾患が起こります。また、「自律神経系」への影響が出てくる場合も勿論あり得ます。
背骨(脊椎)は心臓に劣らない人類の生命線である。
この背骨の構造が正常に維持する事により、人間が日常的に受ける「重力の負荷」「運動の負荷」を全身の骨格、筋肉へと分散させ、生命活動を行えるようになっているのです。
背骨(脊椎)は頚椎/胸椎/腰椎/骨盤(仙骨部)に区分される。
背骨(脊椎)は首の「頸椎」、胸の「胸椎」、腰の「腰椎」そして骨盤の仙骨部から成立しています。
- 首:頸椎7個(C1-7)
- 胸:胸椎12個(T1-12)
- 腰:腰椎5個(L1-5)
- 骨盤:仙骨/尾骨(--)
椎間板ヘルニアの原因となるのはこのうちの「腰椎」であり、特に椎間板ヘルニアに関しては第4/5腰椎に異常が起こるケースが多いです。ですので、仮に椎間板ヘルニアになった場合、第4/5腰椎を怪しむのが王道です。
椎骨の間には椎間板と呼ばれるクッション材が挟まっている
頸椎/胸椎/腰椎と続く背骨(脊椎)には24個の椎骨が連なっています。ですが、その椎骨はそのまま連結しているわけではありません。骨と骨が直接接触すれば骨が傷付き,常に痛みに悩まされる生活になってしまいます。そこで、人体にはそうした事が起こらないように、椎骨と椎骨の間に「椎間板」と呼ばれるクッション材が挟み込まれており、脊椎(背骨)にかかる負担をうまく吸収/分散してくれています。それによって椎骨や背骨全体が傷付かないようにバランスを取っているのです。
正に生命の奇跡の1つともいえる構造です。
椎間板は「髄核」「繊維輪軟骨」の2つの構成要素からなる
椎骨と椎骨の間に挟まっている「椎間板」は2段構造になっています。
よくある説明方法として「饅頭」の例えがありますので、ここでもその例に従った解説を行います。
○椎間板はお饅頭の構造をしている。
椎間板の構造は正に「お饅頭」と同じです。
お饅頭のアンコ部分は「髄核」と呼ばれる柔軟性のある軟組織で、アンコを包み込む餅部分は「繊維輪軟骨」と呼ばれる軟骨組織となります。
- 髄核:椎間板の内側に含まれる柔軟性のある軟部組織です。背骨(脊椎)
- 繊維輪軟骨:椎間板の外側の組織で、髄核を包み込んでいます。
椎間板の疾患としては「椎間板ヘルニア」が代表的な疾患となりますが、椎間板ヘルニアはこの繊維輪軟骨が破れてしまい、髄核が外に飛び出してしまう事から起こってしまうのです。
腰椎4/5番は非常に負荷がかかり易い
背骨(脊椎)の中でも第4/5腰椎にかかる負担は特別です。上半身の負荷を骨盤/腹筋と共に支える重要な部位であり、柔軟な動きを実現する為に骨格組織が少なく、構造的な脆さを内包しているという非常に複雑な部位なのです。
複雑でありながら、負荷はとても大きい。更には現代社会の生活は「腰苛め」と言っても良い程に、腰椎への負荷をかける姿勢や動作を求められます。正に腰痛量産体制に入っているのが現代社会であると断言しても良いほどの状態です。
ですので、普段、何気なく負荷をかけているかと思いますが、一度腰椎4番5番(オヘソの裏側あたりです)を意識しながら身体を動かしてみてください。腰がかかわる運動の際には常にこの「腰椎4/5番」が軸になって動くような感覚を簡単に自覚できるかと思います。






